クリーニングの品質管理と省エネルギーは正しいスチームトラップ選びから
クリーニング産業で使用されるドライ機・タンブラー・各種プレス機など蒸気を使う機器のほとんどにはスチームトラップが取付けられています。スチームトラップとは読んで字のごとくスチーム(蒸気)をトラップ(罠)にかけておく機器です。蒸気輸送管内には、ボイラーから蒸気と共に運び出された水滴や、蒸気が熱交換装置で放熱し凝縮した水分、あるいは長い配管内で自然放熱によりできた水分などのよりドレン層が出来ています。このドレン層が必要以上の厚さになると熱交換に大変な悪影響をもたらし、その結果生産能力を著しく損ないます。スチームトラップは蒸気を逃さず余計なドレンのみを排出し、熱交換率を上昇させ燃料コストの軽減化を図ると共に、蒸気の質を向上させ、機械の能力を十二分に発揮させる役割を果たしています。
スチームトラップを作動原理で大別すると次の3つになります。
クリーニング機器別スチームトラップ選定表
ドライ機 | タンブラー | 綿プレス | ウールプレス | |
機械装置 | ||||
第一選択 | ||||
第二選択 | ||||
留意点 | ドライ機には蒸気を使用する個所として、乾燥機と蒸留機とがあります。乾燥機及び蒸留機とも蒸気が占有する体積は小さいわりに蒸気必要量は大きいので、ドレンを連続排出するフロートトラップが最適です。 |
タンブラーは、熱交換上の機構から考えると単なる熱風乾燥機であり、エロフィンで空気を加熱しファンで熱風を循環させています。エロフィンは,蒸気必要量に比べ蒸気の占有している体積が非常に小さいので、断続的に作動するトラップを使用するとタンブラーの能力は著しく低下します。従って連続的に排出するフロートトラップが最適です。 |
綿プレスには色々な用途に多数の型式がありますが、どの型式でも蒸気使用量は15kg/hrから30kg/hr程度です。生蒸気は使用しないのでドレンの溜まりを気にする必要はありません。従ってカプセル式が最適です。理想的には上ゴテと下ゴテに各々トラップを設置する事ですが、通常一個のトラップでも充分です。 |
ウールプレスは、綿プレスと違い生蒸気を必要とする工程があり、その為の機構が内部にあります。最良の設置方法は上ゴテ、下ゴテ用として1個別々に取付ける事で す。時として2個取付けるべきトラップを1個に節約する事がありますが、この方法ではかえって生蒸気にドレンを増加させる原因になります。 |
アイロン | スポッター | チェスト式アイロナー | カレンダー式アイロナー | |
機械装置 | ||||
第一選択 | ||||
第二選択 | ||||
留意点 | 従来ハンドアイロンはドレンコックの絞りによってドレンの排出を調整していました。しかしハンドアイロンからのドレン漏れを防ぐためにどうしてもドレンコックの開きを大きくしがちになり、結果的に大切な蒸気まで逃がしてしまいました。スチームトラップを設置すればドレンの漏れも蒸気の漏れも防ぐ事ができます。更にアイロン内の圧力が一定し作業性も向上します。 |
スポッターには生蒸気を使用しますが、この生蒸気は乾燥している事が第一条件です。万一、生蒸気が乾燥していなかった場合、別のシミをつくりかねません。乾燥した蒸気を得るにはスポッターの蒸気入口手前にセパレーターとスチームトラップを組合せて設置します。スポッターでは普通0.2MPaG以上の圧力を使用しますのでカプセル式トラップが最適です。 |
チェストアイロナーは機種によって構造が大きく異なりますが、どの機種にしても最大の生産をあげるには、ドレンと空気を正しく除去する事が必要です。蒸気入口にはセパレーターの設置を推奨致します。更に蒸気障害解消機構付フロートトラップを取付けると最善の結果が得られます。 |
カレンダードライヤーは回転している為、ドレンを排出させるにはロールの底から中心までサイホン管を使用しますが、これが原因で蒸気障害(スチームロック)を引き起こします。蒸気障害が起こるとロール内にドレンが滞留してしまいロールの表面温度が低下し、乾燥がうまくできません。また構造上、蒸気入口の反対側に空気が溜まりやすく諸々の問題が起きますので蒸気障害解消機構付のトラップの設置をおすすめします。 |
スチームトラップ
BPT13SX
BPT13SX | |||
使用圧力範囲 | 0.01~1.30MPaG | ||
コード | 口径 | カプセル | 飽和蒸気温度 |
6930 | 15A | G | -4℃ |
E | -12℃ | ||
6931 | 20A | G | -4℃ |
E | -12℃ | ||
6900 | 25A | G | -4℃ |
E | -12℃ |
TD42LA
TD42-LA | ||
使用圧力範囲 | 0.025~4.20MPaG | |
コード | 口径 | 材質 |
6987 | 15A | ステンレス鋼 |
6988 | 20A | |
6989 | 25A |
FT-14
FT-14-10 | ||
コード | 口径 | 使用圧力範囲 |
6925 | 15A | 0.01~1.00MPaG
|
6926 | 20A | |
6927 | 25A |
OVK-S2
OVK S-2 | |||
コード | 口径 | 最高使用圧力 | 最高使用温度 |
6674 | 10A | 1.6MPa | 220℃ |
6673 | 15A | ||
本体:ダクタイル鋳鉄 要部:ステンレス鋼 |
OVK-YH
OVK YH型 | |||
コード | 口径 | 最高圧力 | 最高温度 |
6670 | 15A | 1.2MPa | 220℃ |
6671 | 20A | ||
6672 | 25A | ||
本体:ダクタイル鋳鉄 要部:ステンレス鋼 |
減圧弁
BRV3 | |||||
最高使用圧力 | 1.9MPaG | ||||
調整範囲 2次圧 |
標準品 | 灰色 | 0.014~0.17MPaG | ||
標準品 | 緑色 | 0.14~0.40MPaG | |||
標準品 | 橙色 | 0.35~0.86MPaG | |||
最高使用温度 | 210℃ | ||||
最大減圧比 | 10:1 | ||||
最小許容差圧 | 1次圧力(絶対圧)の10% | ||||
レンジアビリティ | 10:1 | ||||
品番 | 口径 | 本体材質 | ダクタイル鋳鉄 | ||
6910 | 15A | 要部材質 | ステンレス鋼 | ||
6911 | 20A | 接続仕様 | ねじ込み | ||
6912 | 25A | 最大水圧テスト | 3.8MPaG |
ベローシールバルブ
品名 | BSA1T | |
最高使用圧力 | 1.1MPaG |
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最高使用温度 | 220℃ | |
本体材質 | 鋳鉄 | |
要部材質 | ステンレス鋼 | |
接続仕様 | フランジ(JIS10K) | |
最大水圧テスト | 2.00MPaG | |
ベローシール弁の特徴
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